リウマチの患者数は人口の約1%ほどですが、その特徴として患者数の男女比がおおよそ1:3と言われています。比較的に、男性より女性に多く見られる病気であることが挙げられるでしょう。
特に30代〜50代の女性が症状を訴えて診断を受けるケースが多く、近年では60代にまで患者数が増えています。このように女性に多く発生する要因として、女性ホルモンとの関係が考えられています。
理由は、自己抗体の働きや免疫反応を促す「サイトカイン」という、免疫細胞からできるタンパク質が、関節炎症の引き金となる場合があることです。
女性ホルモンは、サイトカインを活性化させるとされています。サイトカインが過剰に発生することで炎症を悪化させたり、細胞に炎症を起こすような信号をおくることででリウマチが発生したりするのです。
女性ホルモンの中でも卵胞のエストロゲン、乳腺刺激ホルモンのプロラクチンというホルモンが、サイトカインを活性化させやすい働きがあると考えられています。エストロゲンは閉経をきっかけに分泌されなくなるため、月経のある年代でかかりすい傾向にあるのです。
また、リウマチは産後の授乳時期に悪化することも多く、乳腺刺激ホルモンのプロラクチンが要因と考えられています。そのため、女性ホルモンに大きく変化が起こる出産前後や30代〜50代の女性に、多くリウマチが発生しているという現象につながります。
胎児がお腹にいる妊娠中は、免疫機能が一時的に抑えられることがわかっています。それによって、リウマチが発症している人でも、妊娠中は症状が軽くなるケースが多いです。